子犬子猫を迎えたら

○ 幼い子犬・子猫は、元気に見えても疲れやすいので、あまりかまいすぎずに、ゆっくり休む場所と時間を作ってあげましょう。1~2週間かけて少しずつ新しい環境に慣れさせてあげましょう。
 

○すでに家に犬・猫を飼っていて新たに子犬・子猫を迎える場合は、寄生虫や伝染病の感染予防と先住の子と良い関係を築くため、すぐには一緒にしないで、健康状態やお互いの反応を見ながら、少しずつ一緒に過ごす時間を作るようにしましょう。
 

○食欲低下、下痢、嘔吐、咳などの異常が見られたら、早めに受診しましょう。
 

○初めてご来院される際は、今までに接種したワクチンの証明書や健康診断書等があればお持ちください。
 

○元気に見えても消化管内に寄生虫がいることがありますので、糞便検査の実施をお勧めします。なるべく新鮮な便を、乾燥しないようにラップに包むかビニール袋等に入れてお持ちください。
 

○初めてご来院される子犬・子猫の飼主さんには、ワクチンや予防(フィラリア、ノミ、マダニ等)、避妊去勢手術の説明など、お話ししたいことがたくさんあります。できるだけお時間に余裕をもってお越しください。
 

○ワクチン接種は、午前の診療時間〔9:00~12:00〕に来院されることをお勧めします。接種後、副反応が起こることがありますので、ご自宅にて飼主さんが様子を見てあげる必要があります。緊急時の対応も日中の方がスムーズです。夜間は緊急対応できない場合があります。
 

○当院では、パピークラス(子犬教室)を行なっています。詳しくは「パピークラスのご案内」をご覧ください。
 
 

【狂犬病ワクチン】
 
法律で飼犬に接種が義務付けられているワクチンです。1年に1回の接種と市町村への届出が必要です。安城市、知立市、岡崎市、豊田市は当院で代行手続きが可能です。狂犬病は、近年日本での発生はありませんが、諸外国では今なお発生しています。ほぼすべての哺乳類が感染し、発症すると100%死亡するとても恐ろしい人獣共通感染症です。万が一、日本に狂犬病が入ってきたときに、流行を防ぎ、人間への感染を予防するため、飼犬の登録および1年に1回のワクチン接種が狂犬病予防法により義務付けられています。
  

【混合ワクチン】
 
感染すると命に関わることもある恐ろしい伝染病から愛犬・愛猫を守るためのワクチンです。接種は任意です。初回接種(子犬・子猫時)は、1ヶ月ずつ間隔をあけて2~3回、その後は1年に1回の追加接種が推奨されています。混合ワクチンにはいつくか種類があります。生活環境や年齢、体調などその子の状態に合わせて、必要なワクチンを接種してあげると良いでしょう。
  

【避妊・去勢手術】
 

◎避妊・去勢手術をすることのメリット
雌では発情や望まない妊娠を避けられるほか、中年以降に多くみられる子宮や卵巣の病気を防ぐことができ、また早期に手術 を行うことで乳腺腫瘍になる確率を減らすことができます。雄では、精巣や前立腺の病気、会陰ヘルニアなど雄性ホルモンが関与する病気を防ぐことができ、テ リトリーを示すマーキング行動の抑制、喧嘩による外傷や感染のリスクを減らすことができます。 停留睾丸(片方あるいは両方の精巣が陰嚢内になく、鼠径部や腹腔内にある)の場合は将来腫瘍化するリスクが高いため、早い時期の去勢手術が推奨されます。
 

◎避妊・去勢手術をすることのデメリット
手術後太りやすい体質になることがほとんどです。肥満は万病の元ですから、避妊・去勢手術済犬・猫用フードやカロリーの低いフードを利用するなど、体重管理を上手にしてあげることが大切になります。雌では、ごくまれですが術後の尿失禁が発生することがあります。また、手術時に使用した糸と体質が合わないために傷口が治りにくいなどの問題も報告されています。
 

◎手術と全身麻酔について
避妊手術はお腹を開けて卵巣・子宮を摘出する手術で、一泊入院です。去勢手術は精巣を摘出する手術で、日帰りです(停留 睾丸の場合は一泊入院となることもあります)。避妊・去勢手術は若くて元気な子に行うことが多い手術ですが、全身麻酔が必要となるため、必ずリスクは伴い ます。当院では麻酔のリスクを少しでも減らすため、術前に身体検査・血液検査を実施しています。他に、犬ではフィラリア検査、猫では猫白血病ウイルス・猫 免疫不全ウイルス検査を行う場合もあります。手術中は、心電図、呼吸、血圧、血中酸素濃度、体温などをモニターしながら安全な手術を心がけています。ま た、手術に伴う痛みを最小限にするため、術前に鎮痛剤を使用しております。避妊・去勢手術を希望される場合は、一度ご来院頂きご相談ください。
 
 

【フィラリア症】
 

◎フィラリア症ってどんな病気?
フィラリア症とは、フィラリアという糸のような寄生虫が心臓に寄生することにより起こる病気です。フィラリアの成虫は大 きいもので30cm程に達します。フィラリアは心臓や肺の血管に寄生することから血液の流れを乱し、全身に必要な血液を充分に送ることができなくなりま す。その結果、心臓の他にも肺や肝臓、腎臓または脳など全身に様々な障害がでます。症状の出方や進行に個体差はあるものの、フィラリア症は命を落としてし まう危険な病気です。主な症状としては、疲れやすい、息切れ、咳が出る、呼吸困難、失神、お腹が膨らんでくる(腹水)などがあげられます。実際には、目に みえる症状以上に体の中では多くの障害が出ている事が多いのです。
フィラリア症に感染した犬の血液中にはフィラリアの幼虫がたくさん出てきます。そのフィラリアの幼虫が血液とともに蚊に 吸われ、その蚊が別の犬を刺すことによりフィラリアの幼虫が犬の体内に入ります。犬の体内に侵入したフィラリアの幼虫は1カ月以上かかって心臓にたどりつき、成虫になります。
 

◎フィラリア予防薬は「予防薬」ではなく、実は「駆虫薬」
フィラリア予防薬は、1ヶ月に1回投与する方法が一般的ですが、投与することで1ヶ月間予防効果が続くわけではありませ ん。「予防薬」と言われますが、実は「駆虫薬」なのです。蚊に刺されることで体内に侵入した幼虫を駆虫する薬です。そして、予防薬が駆虫できる期間は子虫 が体内に入って1~1.5ヶ月以内です。ですから、薬は1ヶ月に1回の投与が必要で、投与時期は蚊が発生し始めてから1ヵ月後にスタートし、最後は蚊がいなくなってから1ヵ月後に飲ませて終了となるわけです。愛知県での予防薬の推奨投与期間は5月上旬~12月上旬(8ヶ月間)となっています。沖縄県のような暖かい地域では1年中お薬を飲ませ続けますし、逆に北 海道のような涼しい地域では予防期間は短くなります。地球温暖化によって蚊の発生時期が長くなるようなことがあれば、予防薬の投与時期も長くなることになります。
 

◎フィラリア予防薬の種類
当院では、月1回の投与タイプを3種類扱っております。
◇ 錠剤
◇ ビスケット
◇ スポット;皮膚に滴下するタイプです。同時にノミ予防ができます。
※ 投薬開始前に、前年の予防がしっかり出来ているか(フィラリアに感染していないか)を確認するための血液検査の実施を推奨しています。
※ 注射で効果が6ヶ月間あるいは1年間続く薬もありますが、当院では使用を推奨しておりません。ご希望の方は直接獣医師にご相談ください。
 

◎血液検査って必要?
フィラリアに感染している子に予防薬を飲ませた場合、重大な副反応が起きることがあり、中には死に至るケースもあります。
月1回のお薬の場合、消化不良や吸収不良があったり、飼主さんの見ていない所で吐き戻してしまったり、投薬を忘れて間隔が開いてしまったりした場合、フィラリアに感染してしまう可能性があります。また、最近では冬でも暖かい日があるため、予防期間外でも感染する可能性が無いとは言い切れません。そのため毎年予防薬の投与開始前に、フィラリアに感染していないか確認する血液検査が必要となるのです。このような理由から、当院では投薬前の血液検査の実施を推奨しています。通年予防されている方、あるいは飼主さんが検査を希望されないなどの場合は獣医師にご相談ください。
 

【ノミ】
ノミの成虫は犬や猫の体に寄生して吸血し、メスは48時間以内に産卵します。卵は周囲に散らばり、幼虫、サナギと成長して、成虫になると再び動物の体に寄生して吸血し産卵します。
ノミが寄生することによる害は、かゆみだけでなく、アレルギー性皮膚炎、貧血、瓜実条虫症など様々な病気の原因となります。また、人間にも被害を及ぼすことがあります。
ノミはとても小さく動きも素早いので、寄生数が少ない場合はほとんど見つけることができません。ノミが好んで寄生する部 位である背中や腰、尾などの毛にゴミのような小さな黒い粒がみられたら、それはノミの糞かもしれません。黒い粒がノミの糞なら、濡らしたティッシュの上に 置くと粒が溶けて赤っぽくなります。
 

◎ノミは「予防」が一番です!
ノミは気温が13度以上、湿度が50%以上になると繁殖活動を行います。冬期は野外での感染リスクは低くなりますが、室 内ではカーペットやペットの寝床などで卵・幼虫・サナギの生存が可能であるため、一年中感染の危険があります。家の中のカーペットなどで繁殖してしまう と、完全に駆除するのはとても大変ですし、ご家族の方にも被害が及ぶことがあります。ですから、お散歩などの外出時にノミを拾って、持ち帰ってしまわない ように、「予防」をするのが一番です。ノミ予防は、1ヶ月に1回、首の後ろに滴下する方法が一般的です。滴下が苦手な場合は、飲み薬もありますので、ご相談ください。
 

【マダニ】
マダニは木の葉っぱの裏や草むらに潜んでいます。そして、そばを通りかかった動物に飛びつき、寄生します。寄生後、動物 の体の上で毛が少なく付着と吸血が容易な場所(頭、耳、目のふちやお腹、足指の間など)を探して、のこぎりのようなクチバシを皮膚にさしこみ、セメントの ような接着物質を分泌してクチバシを皮膚に固定します。それから吸血と唾液の分泌を繰り返し、1週間以上吸血が続くこともあります。飽血すると動物の体か ら離れ、脱皮します。そしてまた寄生→吸血→脱落→脱皮を繰り返します。マダニの寄生による害は、刺された部位の痒みや炎症だけでなく、犬バベシア症という命にかかわる病気の原因となる原虫を持っていることがあります。また、ライム病や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などのように人間に被害をもたらすケースもあります。
 

◎マダニがついてしまったら
吸血中は動物とガッチリ固定されているため、引っ張ったくらいでは取れません。この状態で無理に引きちぎってしまうと口 の部分が皮膚内に残り、化膿してしまう危険性がありますので注意が必要です。また、人獣共通感染症を起こす病原菌を持っていることがありますので潰してしまうのは避けましょう。もしついてしまった場合は、駆除剤を使って安全に落とすことができますので、無理に取り除かずにマダニをつけたままご来院ください。
 

◎マダニは「予防」が一番です
マダニは春~秋の間に発生することが多いですが、季節に関わらず1年を通して活動しているので、冬の間も油断大敵です。マダニ予防は、1ヶ月に1回、首の後ろに滴下する方法が一般的です。滴下が苦手な場合は、飲み薬もありますので、ご相談ください。